養護と看護の考え方

養護とは

学校教育法第37条第12項において

養護教諭は、児童の養護をつかさどる」と規定されている。

 

1)

明治20年代にヘルバルトの教育の教授、訓練、養護という3領域の1つとして提案された

「日常生活において、栄養・空気・光線・衣服・保温・清潔・休息等の衛生的原則を遵守させ、不良な習慣を矯正して、健康を保持増進させる作用」を意味する。

 

2)

子どもの健康を守ることと発達を促すことの両方を目的とした活動であり、

教育活動の一環として捉えるものである。

 

3)

保育領域においては、"養護"を「生命の保持増進及び情緒の安定を図ることをねらいとした実践活動」として捉える。そして、「子どもの心身の発達を援助する」実践活動である"教育"と一体化して、子どもを育成している。

 

これらのことから、

・対象:子ども

・場面:日常生活

・目的:①心身の健康の保持増進

    ②発達の支援、発達の保障

・内容:教育活動

といった要素があると考えられる。

 

つまり、「養護」とは、子どもを対象にした教育活動を指し、

日常生活を通した子どもの心身の健康の保持増進、発達の支援・保障を目的として

実践されるという特質をもつ。

 

 

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看護とは

看護の原点を築いたナイチンゲールは、看護を

「健康を回復、保持し、病気や傷を予防して、それを癒そうとする自然の動きに対して、できる限り最良の状態に人間を置くこと」と定義づけた。

 

その後、ロジャースによって、看護は、健康の維持と増進、疾病の予防、描写のケアと社会復帰を支える人間科学であると述べられている。

 

このように、医療の高度化や治療・療養の場が地域へ移行することに伴い、

現代においては”看護”を、病者への看護のみならず、

健康の増進やヘルスプロモーションの観点から捉えるようになった。

 

日本看護協会では、看護を

「健康のあらゆるレベルにおいて個人が健康的に正常な日常生活ができるように援助すること」と示している。

 

看護は、あらゆる年代の個人、家族、集団、地域社会を対象としており、あらゆるヘルスケアの場及び地域社会にて実践される。そして、身体的、精神的、社会的支援として看護が実践され、これらの支援は、日常生活への支援、診療の補助、相談、指導及び調整等の機能を通して達成される。

 

 

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養護と看護の共通する視点は、

「人間」を対象とし、「健康」「環境」「生活」を重視するところにある。

 

地域看護において、学校は、公衆衛生看護を行う「場」の一つとして捉えられる。

すなわち、地域の中の”学校”という場に焦点を当てた実践活動の機能を持つ。

 

つまり、学校看護とは、

学校などの教育機関に所属する養護教諭として、

児童生徒及び教員の健康管理に責任を持つ立場で

学校教育活動の一環として実践されるものである。

 

学校という場を基盤として展開される教育的機能を有したケアの実践である。