自己効力感を高める要因

バンデューラは、自己効力感の認識に影響を与える要因を4つ挙げている。

・制御体験:「行動を制御することで行動達成されたという経験」のこと。直接の体験として、最も効果的であるとされる。制御体験の失敗はマイナスの影響となる。

・代理経験:他者の行動結果を観察することに伴う体験のこと。観察学習、モデリングのこと。

・言語的説得:成功できると思わさせるような他者の言葉による説得のこと。効果はあるが、経験がなく困難に直面すると急速に消失する。

・生理的情緒的状態:自分の生理的・情動的な状況についての体験的自覚が自己効力の判断の手がかりとなる。緊張や震えなどの生理的反応があると、成功予期が弱まり、自己効力感を感じにくくなる

 

さらに、その後の研究でそれ以外の要因についても報告されている。

・意味づけ:行動に対する意味づけや必要性が、自己効力感を高める

・方略:課題を達成するための方略を知っていて活用できることが自己効力感を高める

・能力への原因帰属:結果に対する原因を努力よりも能力に帰属させる考え方のほうが、自己効力感を高める

・ソーシャルサポート:活用できる社会的資源を多く認識していることが、自己効力感を高める

・健康状態など:高齢者は身体的な衰えが自己効力感を低下させる

 

 

モデリングによる強化についての補足

社会学習理論では、イメージによる強化が成立する。下の3つ。

・外的強化:実際に報酬を得ること、報酬を得られるというイメージによっても強化が成立すること。

・代理強化:モデリングをする他者が報酬を得ることによっても、自分の行動が強化される。

・自己強化:ある基準に自分の行動が達した時、自分で自分に報酬を与えることが強化の役目を果たす。

 

引用元

https://psychologist.x0.com/terms/114.html